
バレエをずっと好きでいられる
入り口の役目を果たしたい
バレエインストラクター Chika chika
3歳よりバレエを始め、K-BALLET SCHOOLにてバレエを学ぶ。K-BALLET YOUTHに出演、コンクールにて受賞歴あり。NBAバレエ団に入団。くるみ割り人形などの公演に出演。退団後フリーでバレエ講師として子供〜大人まで幅広く教える。
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バレエが初めてでも
飽きずに楽しめるように指導— EYSではどのクラスを担当されているのでしょうか。
今はベビークラス、これは1歳から2歳ですね、こちらを3つと、3歳4歳のクラス、4月から小学生になるクラスを受け持っています。
いちばん下のベビークラスは、ベビークラスですからバレエが初めての子がほとんどになるので、かっちりバレエの動きをするのにこだわらず、動物さんとかに例えながら楽しみながら分かりやすくバレエの動きにつなげていけるようなレッスンをしています。
3、4歳くらいになると少しバレエの動きも組み込みながらバレエのポジションの名前、フランス語の用語は日常用語にないので言葉と動きと一緒に覚えていくのを音楽に合わせながらやっていく、とにかくリズムよく動けるようにしていくレッスンをしています。
小学生になるクラスはバレエのだいたいのレッスンの順番をやっていきます。同じことの繰り返しもレッスンの中では多いので、動きを付け加えて飽きないようにさせたりしながら、バレエの基礎が身につくようなレッスンをしています。
バレエレッスン自体は決して楽しいわけではありません。ストレッチは痛いですしずっと同じ動きをする必要や地味な動きをやるのですから。飽きないようにするために動物さんの動きを例えに入れたり、プリンセスがみんな好きなので「プリンセスになれるようにこういう動きをしてみよう」と話したり、そういう例えを交えて、バレエが楽しく面白いものであるように努めています。
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大切なことを伝えた上で
笑顔あふれるクラスにしたい— 「楽しく面白く」というスタンスを大切にされているのですね。
私は近所のスポーツクラブでバレエを始めて、プロになりたい、バレエダンサーになりたいと思うようになって本格的な教室に移りました。テストがあってクラスの中で順位付けをされる、先生も常に怒る、というような厳しい環境でしたが、やっぱり小さい頃にバレエが楽しかったからプロになりたいと思えたし、ここまで続けられてこられたのだと思います。
EYSは初めてバレエをやる子が多いので、入り口は絶対に楽しくしたいですね。入り口だからこそ、好きになれるきっかけになればと思っています。
もちろん動物園のように騒いでしまうクラスになってしまったらレッスンもできなくなってしまいますからそこはきちんと言います。
最初のご挨拶や礼儀作法もバレエとして大切なので、そこもしっかり伝えます。
その上でみんなの笑顔あふれるクラスにしていくというスタンスです。
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1回離れてみて感じた
バレエという存在の大切さ— 講師として教えるようになった経緯を教えてください。
講師になったのは18歳か19歳の頃です。プロのバレエ団に入っていたのですが、それだけでは食べていけない現実があって、その中でどうバレエにかかわっていけるかと考えて指導にもあたるようになりました。
教える方が自分は好きかもしれないと思ったのが大きかったので今は踊っていませんが、自分がそんなバレエに対して恵まれている体つきとかではなかったのもあって、そういう子たちを助けたいじゃないですけれども、自分の経験をいかして体が硬くても楽しくバレエをしてほしいと思っています……。実は一回、バレエから離れたことがあって違う仕事をしていました。
離れた理由は、講師として教えている中で、やっぱり若かったので例えばレッスンの代行を頼まれても断れなかったり、けっこうイエスマンだったのですね。自分の時間が取れなくなっていって、ストレスになってしまって、「もうバレエが嫌いになった、すべてきっぱりやめる」と思って、そこですぱっとやめました。
でも、やめてからもバレエの動画を観るし、以前のバレエスタジオの子が「こんなコンクールで賞を取ったんだ、すごいすごい、頑張ってるな」と思ったり、やっぱりバレエから絶対離れることができなかったですね。やっぱりバレエが好きでバレエにかかわった仕事がしたい、経験を生かして子どもに教えたいと思って求人を見ていたとき、EYSさんがちょうど募集されていて応募しました。
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レッスンの雰囲気から生まれる
教えることの喜び— バレエに戻られて最初の場がEYSなのですね。
そうです。EYSは自分でレッスンの曜日を選べるのがいいですね。バレエ教室だと自分の教える日じゃない日も出勤しなければいけなかったりいろいろ出てくるのですが、そういうことは絶対にないのでスケジュールが先に立てられるのでありがたいです。
給料面もしっかりしていると感じます。バレエだと「ここからここまではあなたへの経験ですよ」とでも言うのでしょうか、経験だからということで、0円で働くこともあります。といって上の先生に交渉するのは若い子にとっては難しい面があります。そういう面でもレッスンはこれくらいの値段で、というのを提示してくれるので安心して働ける環境としてしっかりしています。
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先生と生徒の間に垣根のない
関係でいたいスタジオによってはお母さんが「なんでこれができないの、あれができないの」と厳しい方が多いのですが、EYSは温かく見守ってくれるようなお母さんたちが多いなと思います。
ベビークラスのお母さんからは言葉を多くいただいています。
レッスンはいちばん初めに「よろしくお願いします」、最後は「ありがとうございました」の挨拶で終わりにしているのですが、私のクラスではそのときに可愛くスカートを広げてお辞儀をするんです。「バレエじゃないところでも、お友達に会ったりしたときにやってくれました、先生」とおっしゃっていただいたり、「つま先がきれいに伸ばせるようになりました」と言っていただいたり。うれしいですね。
小学生になるクラスだと周りの子もけっこうバレエをやっているのでお友達と一緒に「先生がこの間教えてくれたこれをやってみたよ」とか「お友達にこれを教えてあげたよ」と言われたり。「これができるようになったよ」というのがいちばん多いです。
私自身、バレエを続ける中で、先生と生徒は上下関係があって話しづらいというのを感じていました。先生と生徒の関係であっても何でも喋れるような、子どもたちが「これが嫌だった、痛かった」と言えたり、「どうやってやるの?」と気軽に聞けるような先生でいたいなと思っています。
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ほかの表現にない魅力を持つ
バレエの人口を増やしたい— バレエの魅力はどんなところにあるのでしょうか。
最初はできないことが多いけれど、できるようになったときにどんどん楽しくなれる、というのが私の中では魅力としてあります。発表会に出ればモチベーションも上がりますし、スポットライトを浴びてお化粧して可愛い衣装を着てお友達と舞台に立つ、それをお母さんが客席で見ている、そういう環境はバレエならではだと思います。
バレエは積み重ねていかないとうまくならないものなので、教える立場としては成長を感じられるところがいちばんのやりがいです。
— バレエを教えていく先にどんな夢を描いていますか。
やっぱりバレエの人口を増やしたいですね。楽しいバレエを、バレエが楽しいということをみんなに知ってほしいです。バレエを始めてくれる子どもが増えて、さらにそのママも興味を持って一緒にバレエを始めてくれたり、そういうふうにつながっていって、みんなに長い間続けてほしいと思っています。
そのためにもバレエの入り口は大切ですし、その役割をきちんと担える存在でありたいと思っています。