【バレエのカンブレとは?】後ろへのカンブレのやり方と美しく反らせるコツを解説

EYS-KIDS編集部

カンブレとは「弓なりに曲げる」という意味

カンブレとは、「弓なりに曲げる」という意味のバレエ用語で、上半身を前・後ろ・横へ、弓なりにカーブを描くように体を曲げることを指します。カンブレは、柔らかくしなやかな動きが特徴です。

カンブレは、体の使い方がポイントです。後ろへ反らす時に、反動をつけてしまったり、深く曲げようとするあまり無理な姿勢になってしまったり、シンプルな動きだからこそ、間違えて覚える可能性があります。

そこで本記事では、間違えて覚えてしまいやすい「後ろへのカンブレ」のやり方を解説し、美しく反らせるコツをご紹介します。後ろへのカンブレができると、前・横へもポイントをつかんで練習できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

【体の使い方のポイント】カンブレは弓なりに反るのが難しい

後ろへのカンブレは、反らしているつもりでも弓なりになっていなかったり、深く反らしているのに美しくなかったりと、難しい面があります。どのようなことを意識すれば、カンブレが上手くできるのでしょうか。体を弓なりにするために有効な体の使い方のポイントを2つご紹介します。

腰から反らしてしまう:胸骨を押し上げるイメージ

間違いやすい体の使い方に、カンブレのための上半身の準備をしないまま、腰から反らしてしまうことがあります。腰に大きな負担をかけるやり方なので、必ず修正しましょう。

まず、体を反らす前に、腰をまっすぐにしたまま、内ももを引き寄せと引き上げをして、お腹を伸ばし、首を長くして、頭の先まで引き上げます。そこから、胸骨を押し上げるようなイメージで、胸を上向きにしていきます。

足からおなかが斜めになる:引き伸ばしながら反らす

後ろへのカンブレは、背中で緩やかなアーチを描くことが必要です。足からおなかが斜めになる人は、骨盤が前傾して腰を押し出しています。この方法も腰に負担をかけてしまうことになり、バレエとしては好ましい姿勢ではありません。

軸が斜めになると、体を戻す時に大きくバランスを崩してしまいます。体をまっすぐ上に引き上げたら、腰をまっすぐにしたまま、反らしていくことが重要です。足からおなかが斜めになる人は、おなかを引き伸ばすことを意識することが大切です。

背中の柔軟性を高めるためのヨガポーズ

バレエの美しい姿勢には、全身の柔軟性や筋力が必要です。なかでも上半身や背中の柔軟性は、さまざまなポーズの美しさを生み出します。背中の柔軟性を高めることは、後ろへのカンブレだけでなく、アラベスクのように足を上げる動きにも大いに役立ちます。

比較的簡単なポーズですが、背中や肩の柔軟性や腰痛の緩和、リラックスなどさまざまな効果があるといわれている「コブラのポーズ」をご紹介します。

①ヨガマットやカーペットにうつ伏せになる

②足を腰幅に開いて、足の甲を床につける

③腕を胸の横へ置く

④息を吸いながら、両手で床を押して上半身を起こす

⑤胸を天井へ向けるように伸ばして反らす

⑥視線は天井に向ける

⑦元の位置に戻す

柔軟性は毎日の積み重ねで向上しますから、バレエの練習前やお風呂上がりなど、時間を見つけて行ってみてください。

後ろへのカンブレはアーチを先に作るのがコツ

背中を弓なりにすること自体が、感覚としてつかみにくく、後ろへのカンブレを難しくさせています。しかし、弓なりにするコツがわかると正しく体が使えるようになるので、腰を痛めることなく、カンブレしやすくなります。ぜひ、チェックしてみてください。

①まっすぐに立って胸を前に突き出す

バーがあれば、両手でつかんで、まっすぐに立ちます。そこから、胸を前に突き出して、肋骨が広がっていくのを感じてください。腰を反らさないようにするために、お腹を引き上げて伸ばしておきます。このことによって、背中にアーチが作られるのです。

②胸を突き出した姿勢を維持して後ろへ反らす

胸を突き出した姿勢を維持して、胸を天井に向けるように、視線を徐々に上げて、後ろへ反らしていきます。姿勢を維持できているかは、みぞおちから下がまっすぐになっていることで確認できます。同時に、背中側は、肩甲骨から下がまっすぐになることも確認してください。

③反らしたときに見える天井の位置を確認

胸を突き出した姿勢を保って、体を反らした時に見える天井の位置を覚えておきましょう。練習を繰り返すうちに、見える天井の位置が遠くなっていきます。

④同じ軌道で戻る

反らした姿勢から元の姿勢に戻す時は、胸から戻るように、体を引き伸ばして、同じ軌道で戻りましょう。速さも変えないように注意が必要です。

後ろへのカンブレは、大きく反る必要はありません。無理のない範囲から始めましょう。始めのうちは、アーチを作った時の感覚をつかむことから始めて、徐々に大きくしていくことが大切です。

美しいカンブレは自宅練習だけでは難しい

後ろへ体を反らす時、胸から反らすよりも腰から反らす方が簡単です。そのため、バレエのカンブレとしては、腰から反らしたポーズが優雅に見えたとしても好ましくありません。

小さな子どもの場合、イメージをつかむことも難しく、背中は感覚の鈍いところなので、意識を向けさせることも簡単ではありません。間違った体の使い方のまま覚えてしまう可能性があります。

美しいカンブレを身につけるためには、ぜひバレエのプロである先生のレッスンを受けることを検討してみてください。ママが子どもからカンブレを教えてもらう日も、遠くないかもしれません。

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最後に

クラシックバレエの後ろへのカンブレは、腰からではなく胸をから反らしていきます。実は、腰から反らすカンブレは、コンテンポラリーバレエ/ダンスなどに取り入れられています。どちらのカンブレにも共通するのは、背中の柔軟性や体幹の強さです。

毎日の練習に柔軟性を高めるストレッチやヨガを取り入れて、必要に応じて筋トレも加えていきましょう。小さな子どもの場合は、練習もストレッチも遊び要素を入れて、楽しく行っていくのが、長く続けるコツです。

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