【バレエのアントルシャとは?】初心者向けに基本と練習のポイントを解説

EYS-KIDS編集部

アントルシャとは両足の動きが「編み込む」ように見えるジャンプ

アントルシャとは、「編み込む」という意味のバレエ用語で、ジャンプした時に空中で足を交差させる動きのことです。バレエでは、男女ともに、よく見られる技法で、軽やかさを表現していることが特徴になっています。

アントルシャには、いくつか種類があり、名前に数字が付いています。数字が大きくなるにつれて、難度が上がっていくので、名前に付いている数字と足を交差させる数を正しく覚えることが必要です。

そこで本記事では、アントルシャのやり方と練習の際に確認するポイントを解説します。比較的よく出てくるアントルシャ・カトルと基本的なアントルシャを取り上げますので、初めての人もぜひ挑戦してみてください。

【確認ポイント】バレエのアントルシャは足を交差させる動作が難しい

アントルシャは、軽やかさを表現するのですが、動かす足を意識しすぎて、多くの人が苦手に感じているようです。練習で確認するポイントを紹介しますので、1つずつ動きながら、苦手を克服していきましょう、

上半身を引っ張り上げるように跳ぶ

アントルシャで、軽やかに足を動かすためには、まっすぐに伸び上がることと滞空時間が必要になります。

アントルシャを難しくしてしまう原因の1つに、足を交差させる時に、上半身が力みやすいことが挙げられます。上半身に力が入りすぎると肩が上がりやすく、反った姿勢になり、高さのあるジャンプができません。

まっすぐに伸び上がることと滞空時間を長くするためには、天井を突き抜けるようなイメージで、上半身を引っ張り上げるように跳びましょう。

足を打つというより交差させるイメージ

アントルシャは「足を打つ」と言われますが、足首同士を打とうとしたり、アントルシャの種類によっては、足の動きが複雑になりバタバタしてしまいがちです。

太ももから動かして、足を交差させるイメージを持ちましょう。実際には、足首ではなく、ふくらはぎで打ちます。空中で足をまっすぐに動かすためには、太ももから動かして、足は必ず1番ポジション(左右に180度開く)を通過させなければいけません。

空中での姿勢をまっすぐに保つ

アントルシャは、体が床に対して垂直になっている状態を保つ必要があります。立っている時と同じ姿勢を空中でもできるようにするのです。

このためには、脚の内側を意識して引き寄せておくことが必要です。そうすることで、内ももから足を動かしやすくなり、交差が早くできて、上半身をまっすぐに保つことにつながります。

バレエレッスンによく出てくるのはアントルシャ・カトル

バレエレッスンによく出てくるアントルシャは、アントルシャ・カトルです。足を打ち付ける動作を学ぶ時に、最初に習います。なぜ、アントルシャ・カトルと呼ばれているのでしょうか。カトルの意味からやり方までをご紹介します。

アントルシャにはフランス語の数字が付いている

アントルシャには、いくつかの種類があり、足を交差させる回数で呼び方が異なります。

アントルシャ・ドゥ(deux=2)

アントルシャ・トロワ(trois=3)

アントルシャ・カトル(quatre=4)

アントルシャ・サンク(cinq=5)

アントルシャ・シス(six=6)

アントルシャ・セット(sept=7)

アントルシャ・ユイ(huit=8)

アントルシャ・ヌフ(neuf=9)

アントルシャ・ディス(dix=10)

アントルシャ・ドゥには別名があって、「アントルシャ・ロワイヤル」と呼ばれています。アントルシャ・ロワイヤルで、royale=「王の」という意味があり、アントルシャ・ドゥよりも、ロワイヤルと言うのが一般的です。

できるかできないかは別として、11以上の数をつけることも可能です。10連続のアントルシャは、『眠れる森の美女』に出てきて、男性ダンサーの見せ場になっています。

アントルシャでの足を交差させる数の数え方

アントルシャの足を交差させる数の数え方を覚えましょう。実際にふくらはぎを打っている数ではないので、注意が必要です。

2回打つという意味のアントルシャ・ドゥで、数えてみます。

真上にジャンプして空中で両脚を少し開いた時が1回、足を打って着地した時を2回と数えます。これは、「開いてから閉じている」ように見えて、踏切りと着地で足の前後が交差しているのです。

アントルシャ・カトルのやり方

右足前の5番ポジションから、ドゥミプリエ(少しひざを曲げる)から真上にジャンプし、右足後ろの5番ポジションに空中で交差(入れ替え)して、着地の時に右足前の5番ポジション(入れ替え)に戻ります。

カトル・4回の数え方は、空中で両脚を少し開いて(1回)、交差させ(2回)、両足を開き(3回)、足を交差して着地(4回)です。空中で足の前後の入れ替えを2回していることになります。

【バレエ初心者向け】基本的なアントルシャのやり方

アントルシャ・ドゥの前にスーブルソーを確認

まず、アントルシャに取り組む前に、スーブルソーができるかを確認しましょう。スーブルソーとは、床をしっかり蹴って真上にジャンプする動きのことです。

スーブルソーは、シンプルな動きなので、立った姿勢からスッとジャンプしてしまいがちです。スーブルソーでは、次のように進めます。

①立った姿勢でドゥミ・プリエ

②両足で踏みきってジャンプ

③空中で太ももを引き寄せる(足を広げない)

④その姿勢のまま両足で着地

アントルシャは、真上にまっすぐ飛ぶことが必要なので、正しいスーブルソーを身につけましょう。

バレエ初心者は2番ポジションから始めよう

バレエ初心者は、着地が安定しやすい足の2番ポジションから始めることがおすすめです。

2番ポジションは、両足のかかとをつけて、左右外側にに180度開いてから、真横へ少し開いた状態にすることです。180度に開かなくても、できるだけ外側に開いていればよいです。

基本的なアントルシャは、以下のように進めます。

①2番ポジションで立ってドゥミ・プリエ

②両足で踏みきってジャンプ

③右足を前にして閉じる

④足を開いて2番ポジションで着地

踏み切った時と着地した時の2番ポジションの幅が同じになっているか確認しましょう。

アントルシャは少しずつステップアップすることが上達のコツ

アントルシャは、交差させる回数が多くなるほど、難しくなります。美しいアントルシャとは、両足の交差がクリアに見えることと、上半身が床に対して垂直になっていることです。

基本的なアントルシャから始めて、交差させる回数を増やして、難度の高いアントルシャへステップアップすることが、上達のコツです。体に合った無理のない動きを身につけていくことが大切になります。

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最後に

正しいアントルシャを身につけるためには、ご紹介した練習ポイントと照らし合わせて、できていることとできないことを確認しましょう。早く足が動かせると、アントルシャ本来の軽やかさを表現できるようになっていきます。

アントルシャは種類によって、体の動かし方やそもそもの筋肉の動かし方が違ってくるので、ステップアップするためには、バレエ教室で適切なレッスンを受けることを検討してみてください。

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