【バレエのプリエとは?】そのやり方と練習のポイントを解説

EYS-KIDS編集部

バレエのプリエがなめらかにできない方へ

バレエのプリエが難しいと感じている人は、多いのではないでしょうか。大きなプリエになると、ぎこちなさが目立ってくるので、悩む人が多くなります。

実は、プリエの動きを見直してみると、滑らかさが出てくることがあります。では、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。

そこで本記事では、プリエの種類と確認するポイント、基本的なプリエのやり方について、ご紹介します。滑らかにできないと悩んでいる人やこれからプリエを始めたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

バレエのプリエは2種類

プリエは、バレエの技法の1つで、動作の大きさによって、2種類に分けられています。バレエの技に入る前の準備動作として、さまざまな場面で使われる重要な役割があります。ここでは、2種類のプリエについて解説します。

ドゥミ・プリエ:「半分」「折りたたむ」という意味

ドゥミ・プリエとは、「ドゥミ=半分」「プリエ=(ひざを)折りたたむ」という意味があります。両足を付け根から外側に開いた状態で、かかとが床から離れないように、ひざを曲げていく動きです。

プリエと屈伸の違い

プリエと似た動きに体操の屈伸があります。どのような違いがあるのでしょうか。

体操で行われる「屈伸」もひざの曲げ伸ばしですが、屈伸は、膝とつま先を揃えて前を向けて行われる点やひざをぐらつかないように固定する点でバレエとは大きく異なっています。

プリエは、両足の付け根から外側に開くので、屈伸のようにお尻とかかと、太ももとふくらはぎが接触することはありません。

また、屈伸は膝がひざを曲げながら、おへそを前に突き出すイメージで行われており、引き上げのイメージをもつバレエとは意味合いにも違いがあるのです。

グランプリエ:「大きく」「折りたたむ」という意味

グラン・プリエとは、「グラン=大きく」「プリエ=(ひざを)折りたたむ」という意味があります。ドゥミ・プリエよりも大きく(深く)ひざを使う動きです。

グラン・プリエとスクワットの違い

背筋を伸ばし、両足を開いてひざの曲げ伸ばしする点で似ている、スクワットとグラン・プリエにはどのような違いがあるのでしょうか。

スクワットとプリエでは、構えからも異なっています。スクワットは、足を横に広げて立った姿勢から股関節・膝関節の曲げ伸ばしを行い、お尻を後ろに突き出すようにして腰を落としていきます。原則として、腰を下げて太ももが床と平行になったとき、かかとが床から離れることはありません。

グラン・プリエは、両足の付け根から外側に開いて姿勢をまっすぐに保ちながらひざを曲げるので、お尻が出てはいけません。ドゥミ・プリエより腰を下げて、ひざを曲げていきますが、ひざを曲げる角度が深くなるにつれて、かかとは床から離れていきます。

バレエのプリエで確認すべきポイント

プリエは、外側に向かって開かれた足と、柔らかな上体の動きが調和してこそ、なめらかになります。そのために確認するポイントをご紹介します。プリエでの悩みの原因を知って、美しいプリエを目指しましょう。

きれいなひし形になっているか:股関節の動きが最重要!

鏡を見ながらプリエを行なって、両足で作られるひし形を確認してみましょう。つま先とひざが外向きになっていなければ、そもそもひし形にはなりません。

きれいなひし形にならないのは、以下のようなことが考えられます。

●両足に力が入らない

●両足に力が入りすぎる 

●両足が十分に開かない

●開いた足に左右差がある

プリエで間違いやすいのは、股関節や太ももの使い方にあります。外向きに開くというのは、股関節を外旋する動き、床を押す動きなど、足のさまざまな筋肉をコントロールすることです。

ひざを曲げるとき、外側へ向かっていくことを強く意識すると、太ももの前やお尻が硬くなって、動きにくくなってしまうことがよくあります。また、ひざを曲げるときに、引っかかる感じがして、力が入らないこともあるでしょう。そのため、十分に開かなかったり、左右差が出てしまうのです。

これらは、股関節を外旋させる前に、足全体を動かしてしまうことが原因です。足だけを使うプリエを繰り返していると、足の大きな筋肉を鍛えることになり太くなってしまい、プリエ本来の動きを妨げるといった、悪循環になってしまいます。

プリエは、ひざ、つま先が全て同じ方向を向いているか確認して股関節から足全体で開くことが、重要なポイントです。

上体が前に傾いていないか:腰と肩は床に対して平行に

プリエでは、つま先と膝の位置が同じ方向を向いていて、平行であるかどうか、肩と腰が床に対して平行になっているかを、確認しましょう。

ひざが前に出てしまうと、上体が前に傾いてしまいます。逆に、ひざが入ってしまうと、お尻が出てしまいます。プリエは単体でも行われますが、多くは回転やジャンプに入る準備のポーズですから、上体がまっすぐでないと、次の技に入れなくなるのです。

プリエの練習でよく言われるのが「壁があるイメージで、上体をまっすぐに保つ」ということがあります。プリエは、ひざの曲げ伸ばしは、同じ軌道で行うので、壁と壁に挟まれているイメージができれば、上達へ近づくといえるのです。

バレエ初心者はまずドゥミ・プリエから

バレエ初心者のバーレッスンで、最初に習うのがプリエです。ひざの曲げ伸ばしというシンプルな動きですが、重要なバレエの動きだからこそ、最初に習って、時間をかけて深めていきます。ここでは、基本的なドゥミ・プリエをご紹介します。

基本的なドゥミ・プリエのやり方

基本的なドゥミプリエは、以下のように進めていきます。

①つま先とひざを、同じ方向に外側へ内ももから開きます。

②骨盤を床から垂直になるよう、まっすぐに保ちながら、ひざを曲げます。

③かかとが、床から離れないぎりぎりのところで、引き上げて、ひざを伸ばします。

ドゥミ・プリエは、しゃがみ込むようにお尻を落とすのではなく、まっすぐ伸ばした上体を上げ下げするということです。

正しいプリエができているのか自分で判断するのは難しい

プリエの練習は、自宅で重量のあるイスの背もたれやテーブル、壁を使って練習することができます。

ただし、自分のできていないところをしっかり直しながら正しいプリエを身につけるとなると難しい面が出てきます。なぜならプリエは、バレエの基本動作をしながら行うので、一見できているように見えても、正しいかどうかの判断ができないからです。

プリエは、プリエから技へ動き出したり、技の終わりにプリエができたりすることが、最終的な目標です。ぜひ、プリエから次の目標へ進むためにも、プロの指導のもとで、正しいプリエを学んでみてください。

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最後に

プリエの動きはシンプルだからこそ、気をつけなければいけないポイントがあります。そのポイントを確認しながら、美しくなめらかなプリエを身につけてください。

プリエができるようになるまでには、さまざまなバレエの基本動作を覚えていきます。プリエに興味をもったら、ぜひバレエレッスンを検討してみてください。きっとバレエの世界が広がります。

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