【体験談レポート】絶対音感があると何が良いの?ソルフェージュレッスンを通して「絶対音感」を身につけてみる(2歳)

「絶対音感は子どものうちにしか身に付けられないと聞いたけど、どうすれば身に付けられる?」という疑問を持っている親御さんも多いかと思います。

今回は、EYS-Kidsのソルフェージュレッスンを担当している先生にお聞きしたお話しと、実際のソルフェージュのレッスン風景を交えながら詳しくご紹介していきます。

絶対音感が身につく時期はいつ?

絶対音感を生まれながらにして持っている人は、20万人に1人だといわれています。

希少な能力ではありますが、適切な時期にトレーニングを行えば、絶対音感が身につけることが可能なもの。

では、絶対音感を身につけるためのトレーニングはいつ頃からすべきなのでしょうか?

音感とは?

音感とは、音の高さに対する感覚のことです。音の高低を認識できる力のことをいいます。また、音の高さの認識の仕方によって「絶対音感」と「相対音感」に分けられます。

絶対音感

ある音を聞いて、その音の絶対的な高さを即答できる能力のこと。音を聞くだけで、ピアノの鍵盤88個の音全てを言い当てられる力です。♯や♭のつかない白鍵盤の音だけしか言い当てられない場合は、厳密には絶対音感とは言えないそうです。

また、絶対音感のある人はチャイムやサイレンの音といった日常生活音の高さも言い当てることができたり、街中で流れている聞いたことのない音楽でも「ドレミ」で聞こえて頭に入ってくるそうです。

相対音感

ある音の高さを、基準の音との比較によって判断できる能力のこと。例えば、基準の音を「ド」とした場合、「ド」とどれくらい離れているかによって別の音の高さを認識できる力のことをいいます。

高い音と低い音を聞き「どちらが高いか」と聞かれればほとんどの人が答えられるように、相対音感は多くの人がある程度は備えているものになります。

聴覚の発達は生まれてすぐ!?

人間の感覚の中でも早期に成長し完成する聴覚。実は、お腹の中にいる赤ちゃんはすでに耳が聞こえています。その聴覚が本格的に発達しはじめるのは、言葉を習得し話せるようになる2歳頃から。聴覚の発達の臨界期は4〜5歳で迎え、8歳には聴覚が完成します。

人間の聴覚はとても早い時期に完成してしまうので、「絶対音感は小さいうちにしか身につかない」といわれているのはこのためなのです。

「絶対音感」の効果的なトレーニング法

聴覚は、音の刺激を繰り返し受けることによって発達していきます。子どもの絶対音感を身につけさせるのであれば、聴覚の臨界期に当たる4〜5歳の時期までに絶対音感を養うための反復トレーニングをさせることが効果的です。そして一度子どもに絶対音感を身につけさせたあとは、楽器練習などを継続することによって絶対音感を維持する努力もしなければなりません。その努力なしでは、せっかく習得した絶対音感は失われてしまうことがほとんどだそうです。

「相対音感」の効果的なトレーニング法

相対音感は、聴覚の臨界期を過ぎた子どもや大人でも、訓練によって身につけることが可能です。多くの人がある程度は備えている相対音感ですが、その精度はトレーニングを積むことによって高めていくことができます。

楽器の練習を通して音程の差をスムーズに把握できるようになれば、次第に相対音感が鍛えられていきます。

音感を養うメリットとは?

絶対音感を持っている人は希少なため、絶対音感の方が相対音感よりも優れていると思ってしまうかもしれませんが、相対音感しかないからといって音楽的な才能が劣っているというわけではありません。

しかし、絶対音感を持っていることによるメリットがあることも確かです。

音感を養うメリットをご紹介します。

絶対音感は脳の発育に良い影響を与える

絶対音感を持つ子どもは、そうでない子どもに比べて、I Qが10ポイント以上も高いという統計的なデータがあるそうです。

ドイツのハインリッヒ・ハイネ大学によって以下のような研究結果も発表されています。幼児期に絶対音感を養うことは、音楽的な力以外にもとても良い影響をもたらします。

『職業音楽家と音楽を学んだことのない素人を対象にMRIで左右の脳の状態を比較してみたところ、音楽家の中でも絶対音感を持たない19名の脳は、素人の人たちとほとんど変わらなかったのに対して、絶対音感を持つ11名は、左脳の側頭平面(言語の理解や数学的能力に深く関係していると考えられている箇所)と呼ばれる箇所が、右脳の側頭平面に比べ、2倍近い大きさに発達していることがわかりました。』

(引用元:一般社団法人日本こども音楽教育協会)

音感があると楽器習得に役立つ

絶対音感と相対音感のどちらも、楽器の上達には大いに役に立つ能力です。

楽譜から音を読むだけでなく、耳からも音を認識できるので、音楽をより早く理解することができます。

聞くことへの集中力が増し、音色の繊細な違いにも気づけるようになります。

音楽を楽しみながら学んで子どもの可能性を広げよう!

絶対音感も相対音感のどちらも音楽や楽器に日々触れることと、適切な時期にトレーニングを行うことで身につけることが可能なものです。

ただし、いくら子どもに音感を身につけさせたいからと言って、無理強いは逆効果。

絶対音感の有無は、音楽を親しむ上ではひとつの側面にすぎないともいわれているので、絶対音感を身につけるために「ド」の音を覚えるのではなく、楽しくレッスンを続けることの方が意味が大きくなります。

大切なのは、子どもが音楽を楽しめること。このことを忘れずに、子どもに心から音楽を楽しませながら可能性を広げてあげたいものですね。

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