子供が学校で開催される合唱コンクールで伴奏者に選ばれたら、親として誇らしく思いますよね。大舞台での活躍を、ぜひ成功させてあげたいとも思うでしょう。
ピアノの伴奏は、通常のピアノのソロ演奏とは似て非なるもの。ソロ演奏の常識が伴奏では通じないこともあるので、注意が必要です。
そこで今回は、子供のピアノ伴奏を成功させるコツと練習方法をご紹介します。ぜひ、この記事の内容を子供と共有して、子供の晴れ舞台を成功に導いてあげてくださいね。
ピアノ伴奏を成功させるコツと注意点
合唱でピアノの伴奏を成功させるためには、どのような点に気を付けるべきでしょうか。ピアノ伴奏には「絶対に止めない」、「鍵盤ばかり見ないようにする」、「テンポを変えない」、「ピアノが目立ち過ぎないように」といった4つのコツがあります。それぞれ詳しく解説するので、見てみましょう。
ミスがあっても止めない
まず、何よりも意識して欲しいのが、ミスがあっても決して演奏を止めないということです。伴奏は全体のメロディーラインを支える重要なポジションを担っています。
もし、ミスしたからといって伴奏が止まってしまうと、全体の流れが崩れてしまい、最悪合唱が止まってしまうことも。一度止まってしまった合唱はやり直しをすることは不可能です。
そのため、例えミスがあっても、決して演奏を止めてはいけないのです。
鍵盤ばかり見ないようにする
ピアノの伴奏中は、鍵盤ばかりを見ていてはいけません。なぜならば、伴奏は全体のメロディに合わせる必要があり、指揮を見ながら弾かなければならないからです。
鍵盤ばかり見て弾いていると、指揮者が指示を出したことに気が付けず、全体をまとめる役のはずが、逆に全体のまとまりを壊してしまうことになりかねません。ピアノの伴奏は、時折指揮を確認しながら弾きましょう。
テンポを変えないように注意する
ピアノのソロ演奏では、曲の途中でわざとテンポを変えて、曲にメリハリを付ける場合があります。しかし、伴奏の場合、途中で勝手にテンポを変えてしまうと、全体に混乱を招いてしまいます。
そのため、伴奏では決してテンポを変えないように注意しましょう。
皆の息継ぎの間を忘れずに
ピアノの演奏には息継ぎは必要ありませんが、歌っている人たちは息継ぎをする間が必要です。伴奏では、息継ぎへの配慮もテクニックのひとつ。テンポは変えず、息継ぎできる瞬間を作っておきましょう。
うっかり忘れてしまわないように、あらかじめ息継ぎするポイントを楽譜に書きこんでおくことをおすすめします。
ピアノだけが主役にならないようにする
伴奏はあくまで皆の歌、主奏部の補助役です。いくらピアノの演奏が上手でも、ピアノが張り切って主役のようになってしまっては全体のバランスが崩れ、美しい合唱になりません。
伴奏の際は、張り切り過ぎて悪目立ちしないように注意しましょう。
引き過ぎてもバランスは悪くなる
伴奏は補助役とはいえ、遠慮し過ぎても全体のバランスが悪くなってしまいます。前奏や間奏など、ピアノの音のみとなる場面ではしっかりと主張しておきましょう。
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ピアノ伴奏の練習方法
ピアノ伴奏のコツをご紹介しました。ここからは、ピアノ伴奏を成功させるための練習方法をご紹介します。
暗譜する勢いで弾きこんでおく
伴奏をする際は、どんなミスがあっても止まってはいけません。また、伴奏は場の流れに合わせる必要があるため、指揮者の動きを確認する必要があります。そのため、まず第一に楽譜を暗譜する勢いで弾きこんでおきましょう。
楽譜がある程度頭に入っていれば、もしもアクシデントがあっても、とっさに反応することができます。また、指揮を見る余裕も生まれます。
もしもミスがあった場合の対策もしておく
物事はどれだけ練習していても、時にはミスをしてしまうもの。100%完璧に演奏できる保証はどこにもないため、万が一ミスしてしまった場合の対策を考えておくことも必要です。
もし、演奏中にミスして止まりそうになってしまった場合は、全ての音を無理して弾かず、片手だけや小節の最初の音だけを出すなど、音の数を減らしてでもとにかく音をつなぐことを意識しましょう。
このことを頭に入れておけば、ミスしてしまったときもとっさに対応することができるでしょう。
メトロノームを使う
伴奏は一定のテンポを保って演奏することが重要です。そのため、練習の際はメトロノームを使って、テンポがずれていないか確認しましょう。
録音して音の大きさの変化を確認する
ピアノ伴奏は音が大き過ぎると、肝心の主奏者が目立たなくなってしまいます。しかし、逆に小さ過ぎると音楽全体が貧弱な印象になってしまい、迫力に欠ける結果に。そのため、伴奏者はどの程度の音量がちょうど良いのかを把握しておく必要があります。
しかし、伴奏者はピアノに最も近い場所にいるため、的確な音量バランスを計ることができません。そこでおすすめの方法が録音です。観客の位置から録音して、音のバランスを確認しましょう。また、第三者に観客役になってもらい、意見をもらうのも良いでしょう。
どこからでも弾けるようにしておく
ピアノの演奏者の中には、曲の途中から弾くことが苦手な人もいます。しかし、合唱の練習で「今のところつまづきがちだから、重点的に練習しよう」となったとき、最初からでないと弾けないようでは練習の効率が下がってしまうので、困ってしまいますよね。
また、もしも本番でミスやハプニングがあり、演奏が止まってしまった場合、すぐに止まった箇所からやり直さなければなりません。
そのため、曲のどこから始めてもスムーズに弾けるようにも練習しておきましょう。
自身も歌ってみて曲の雰囲気を掴む
伴奏はピアノの演奏のみなので、歌わなくて良いと考えていませんか?本番では歌う必要はありませんが、伴奏者も練習中は実際に歌を歌ってみて、曲のイメージを掴んでおきましょう。
実際に歌ってみることで、どの場面にどのような感情を籠めると良いのかが分かるでしょう。ピアノを弾きながら歌うのがどうしても苦手なのであれば、ピアノを弾かず歌だけ歌うか、心の中で歌ってみると良いでしょう。
指揮者や主奏者と曲のイメージを共有することも重要
合唱コンクールは、指揮者、主奏者、伴奏者のチームワークが重要です。例えば伴奏者が「一番盛り上がるのはここだな」と思う箇所でも、指揮者や主奏者はそうは思っていないかもしれません。
コンクールの練習では、ただ伴奏に合わせて歌うだけではなく、時にはミーティングも挟み、曲のイメージを全員で共有しておきましょう。また、それぞれが合唱をより良いものにするために、どこを改善すればもっと良くなるのか、意見を出し合ってみてくださいね。
まとめ
合唱コンクールなどで伴奏者に選ばれると、緊張すると同時に誇らしくもありますよね。しかし、伴奏はあくまで全体をまとめるための補助役であることを忘れないでください。もしも伴奏者が張り切り過ぎて目立ってしまうと、合唱のバランスが悪くなってしまいます。
伴奏者は、合唱の良さを引き立てることを意識して、練習に励みましょう。暗譜する勢いで引き込んでおけば、いざというときにもとっさに対応できるでしょう。