片手のピアノ練習を嫌がる…どうしたらいい?
子どもが片手のピアノ練習を嫌がって困ってしまうことがあるのではないでしょうか。特に左手での片手練習が上手くいかないという子どもは多いです。せっかく練習するのだから、上手になってほしいのに…。どうしたらよいのでしょうか。
上手くいかないといっても音やリズムの間違いなのか一定のテンポで弾けないのか問題点はさまざまです。今までの片手練習を見直すと嫌がってやらないという壁を乗り越えられます。
そこで、子どもにとってNGなピアノ練習や片手練習の進め方と押さえておくべき片手練習のポイントをご紹介します。質のよい片手練習をするためにも、ぜひ参考にしてください。
子どもにとってNGなピアノ練習とは
だらだらと時間をかけている
時間をかけて練習をすれば弾けるようになると考えていませんか。 確かにピアノが上手な子どもは練習量が多く、練習量は上達に欠かせません。
しかし、問題点を明らかにして弾けないところを弾けるようにする「ポイントを絞った練習」でなければいつまでも上手になれません。短い時間でも効率のよい練習をして効果を上げるようにしたいですね。
通して弾く練習しかしない
なんとなくこんな感じかなと通して弾いてしまって、自分の音を集中して聴けなくなっていることがあります。弾きやすいところは速くなって弾きにくいところはテンポにのれなくても気にならないのです。
通して弾くことは、どのような曲なのか知る上で必要です。でも通してばかりいても効率のよい練習とはいえません。
上手に弾くためには片手の段階から引きにくいところを取り出して練習する必要があります。練習は確実に弾けることの積み重ねていくことですから。
楽譜の通りに弾いていない
なかなか上手にならない子どもは楽譜を見ているつもりでも楽譜通りに弾けていないことはよくあります。間違ったまま覚えてしまったり気づいていなかったり。
楽譜にはテンポや音符・休符の長さやリズム、指使いのための番号など上手に弾くための記号が書かれています。これらを守って弾けることを基本として強弱などの表現力を身につけていきます。まずは片手の段階から楽譜を正確に読み取って弾くようにしましょう。
効率のよい片手でのピアノ練習の進め方
1 リズム練習から
リズムと音を同時に読み取ることは難しいので、まず手でリズムを手で叩くといったリズム練習を片手ずつしましょう。
四分音符を「タン」八分音符を「タ」と声を出しながら手を叩いて、音符の長さが曖昧になっているところがないか確認してください。
片手ずつできたらテーブルの上で両手を合わせてリズムを打ってみましょう。両手でリズムがとりにくい場合は、1拍ごとに右手と左手の音符を線で結ぶと目で確かめられるので間違いに気づきやすくなります。
2 音読み
片手の音符や休符を正しく読めるようにしましょう。子どもは楽譜を目で追うことが難しいので、親または子ども自身の指で1つずつさしながら読みましょう。
ピアノを弾きながら声に出して音の高さを確認して音読みができるようになることが理想的です。それが難しい場合は音の名前だけを読んでください。
速く読めるようにと音の名前を楽譜に書き込むのはやめましょう。たどたどしくても何度も読むことで速く読めるなっていきます。焦らないでゆっくりと。
3 メロディーパートから弾く
いよいよ片手ずつピアノを弾きます。メロディーは右手で弾くことが多いので、右手からメロディーを覚えるように弾きます。左手を弾きながらメロディーを歌うのも有効です。
メロディーが左右の手に分かれているようなら、メロディーラインを線でつないで弾きましょう。片手練習で弾きにくいところは指使いの番号を書いておくのもいいですよ。
家庭での片手練習では、親と子どもが片手を分担して弾くと両手の音の響きをとらえられます。ぜひ一緒に弾いてみてください。
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押さえておくべき片手でのピアノ練習のポイント
片手ずつが同じテンポになっていますか?
片手練習ができたからといって、すぐ両手が上手に弾けるわけではありません。たいていの場合、左右それぞれが弾けるテンポが違っているからです。
片手で始めから終わりまで弾けるようになったら、メトロノームに合わせてみましょう。左右が同じテンポで弾けるようにしてから両手練習に入りましょう。
弾けないところは集中練習が必要
弾きにくいところはテンポに合いにくいものです。弾けなくて止まるたびに始めから弾いていては弾きにくいところはそのままになってしまいます。
そこで、その部分だけを練習します。指で覚えるくらいに弾きこみましょう。そして少し前から弾いてみて音符の流れをスムーズにしましょう。
両手を合わせたときに右手のリズムに左手がつられる、その逆もあります。片手練習から楽譜通りに弾けるようにしておきましょう。
休符を意識していますか?
楽譜通りに音を読めても休符が抜けてしまっていることがあります。休符は鍵盤から指を離しますが、意識していないと休符の前の音符を伸ばしたままになりがち。
四分休符は「ウン」、二分休符なら「ウンウン」と 声に出して読んで、弾くときには指を離しましょう。子どもに離すことを意識させるには「パッ」と言うのも効果的です。
休符もリズムを作り出す大事な要素なのでリズム練習から意識すると、メリハリのある演奏ができるようになりますよ。
家庭で教えるピアノ練習には限界が…
ピアノで曲を仕上げるためには十分な片手練習から両手練習へ進むことが必要です。レベルアップすると家庭だけで片手の段階から正確に教えるのは限界があります。
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最後に
片手練習が十分でないうちに両手に入るのでは上達は厳しいです。しかし読譜力が備わってきた段階では初見の技術を高めるために、いきなり両手で弾くことが必要になることもあります。
ピアノを始めたばかりの頃は、片手ずつのリズム練習から音読みをしてピアノを弾くという進め方が時間がかかっても上達への近道になります。焦らずに片手練習に取り組んでくださいね。