2021.04.26
榊原 美紀
明星大学大学院人文学研究科教育学博士課程前期修了（教育学修士）。 音楽教室・音楽療法室 ミキミュージックハウス主宰。
子供がダンスを始めるとどんな効果があるのか？
ダンスが学校教育で必修化されたことや、オリンピックの種目に採用されたことが追い風となって、ダンスを習う子供たちがますます増えています。
ダンスを習わせるうえで、子供にどのような効果があるのか気になる人は多いでしょう。親ならば、子供にとってダンスが効果的であってほしいと願うものです。ダンスには、親にとっても子供にとっても嬉しいさまざまな効果があります。
そこで本記事では、ダンスが子供にもたらす心身面の効果について解説します。何歳から始めるとより効果的なのかについてもご紹介しますので、子供の習い事にダンスを検討している人も、ぜひ参考にしてみてください。
ダンスは子供が何歳から始めるのが効果的なのか
3歳から始められるダンス教室が多いといわれていますが、何歳から始めるのが効果的なのでしょうか。ここでは、子供の発達的観点から解説します。
子供の発達的観点からみると、著しく身体能力が向上するといわれているゴールデン・エイジ（9〜12歳）という時期があります。ゴールデンエイジを充実させるためには、プレゴールデンエイジ（3～8歳ごろ）にさまざまな運動を経験しておくべきだと考えられているのです。
スキャモンの発達曲線という有名なグラフがありますが、これによると運動能力に関する神経系の発達は、3〜8歳の時期に急速に伸び、5歳ころには大人の80％までに成長するといわれています。また、神経系は一度その経路ができ上がると消えることはありません。
このことからも、ダンスは3歳から始めることで、今後の発達にも良い影響を与えることができ、より大きな効果が期待されます。
ダンスが子供にもたらす身体的効果3つ
健康的になるといわれることの多いダンス。どのような身体的効果があるのでしょうか。発達途上の子供の体にとって、嬉しい効果があります。ここでは、ダンスが子供にもたらす身体的効果について解説します。
基礎体力を高める
ダンスは全身を使って踊りますから、基礎体力を高めることが期待できます。ステップ、ジャンプ、回転などの複雑な動きによって、全身の筋力が鍛えられ、関節や腱の柔軟性が増し、疲れにくい体ができるのです。基礎体力は、集中力や根気強さにも作用しますから、日常生活にも良い影響が期待できます。
運動能力が向上する
運動能力には、自分の身体を巧みに動かす能力（コーディネーション能力）が必要といわれており、バランス能力、定位能力、リズム能力、分化能力、反応能力、結合能力、変換能力に分類されます。ダンスには、これらの能力が総合的に組み合わされています。
そのため、ダンスにさまざまな技を組み合わせて複雑になるほど、運動能力が向上するといえるのです。
表現力がつく
ダンスは、体を使って表現する手段の1つです。ダンスには人を感動させる力があります。音を体で表現することと共に、自分の思いを伝えているからです。
たとえ子供であっても、体を最大限に生かしたダンスをすれば、ダンスの楽しさを表現できます。技術が高くなれば、表現の幅が広がり、多くの人に感動を与えるものになります。このように、自分の内面まで表現できることがダンスの醍醐味といえます。
ダンスが子供にもたらす心理的効果3つ
子供への身体的な効果は、目に見えてわかりやすいものですが、子供の心も大きく成長していきます。ここでは、ダンスが子供にもたらす心理的効果について解説します。
自己肯定感を高める
ダンスは、基礎を積み重ねて、新しい技を身につけていきます。そのステップアップしていく過程が、達成感と成功体験の積み重ねです。難しい技の習得や憧れのダンサーと同じようにできたという経験が自己肯定感を高めていきます。
忍耐強くなる
ダンスが上手になりたいと目標に向かって頑張っていても、すぐには成果に結びつかないことがあります。どうして上手くいかないのかと悩むこともあるでしょう。そのたびに練習の仕方を工夫したり、動画を観て研究したりして、課題をクリアしながら、忍耐強くなっていきます。
協調性がつく
ダンスは集団で踊ることが多いため、協調性の向上が期待できます。協調性は、集団の中で実際に体験していくことでしか身につけることはできません。ダンスを通して、お互いに認め合い、励まし合い、よきライバルとなって、目標に向かってこそ協調性が育まれていきます。
ダンスは継続するからこそ大きな効果が得られる！
ダンスで得られる心身への効果は、ダンスを始めたからといって、すぐに得られるものではありません。先生や仲間との関係を築いていくことにも、ある程度時間がかかります。また、子供自身が目標設定をし、達成するまでにも、ある程度の期間が必要です。
つまり、ダンスの効果は、子供が前向きな気持ちで継続できてこそ、大きな効果となってもたらされるのです。そのために親にできることは、子供がダンス心から楽しめて、自信を持って続けられるように、バックアップしてあげることが大切になります。
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最後に
ダンスを習うことで、子供にもたらされる心身への効果を解説しました。これから、子供にダンスを習わせようと考えている方は、子供にどのようになってほしいかを、想像してみてください。子供が効果を得るための第1歩として、ぜひダンス教室の体験レッスンから始めてみませんか。
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